学群長 薮野 浩司

地球規模で複雑化、多様化する人類社会を持続可能なものにし、さらに発展させていくために、科学技術への期待はより一層高まっています。それには、目まぐるしく変化する社会ニーズを先取りし、それに応えて真に社会に貢献できる最先端科学技術を継続して生み出していくことが必要です。単にトレンドを追いかけるのではなく、応用可能性を問わない深遠な基礎理論の探求とそれに立脚した高度な専門知識の習得、そしてその過程で育まれる独創性と柔軟な思考力こそが、いつの時代においても常にイノベーティブな最先端科学技術を生み出しそれを社会実装していく上で、極めて重要な役割を果たします。純粋な知的好奇心による自然科学の探求から社会や環境に直接貢献する工学技術への流れを一連の学問としてとらえるのが、筑波大学理工学群です。自然からの言葉を数学、その普遍原理を物理学、物質相互の反応を化学として理解し、それらの応用として、極小素材を扱う応用理工学、システムとして完成させる工学システム、社会に直接かかわる工学である社会工学を学びます。学類としてこれらのうちの一つを選びますが、幅広い知識を身に着けるために、ほかの学類の授業も受講できる点が特徴です。筑波大学理工学群で、基礎から応用まで広い視野に立って理工学の知識を身に着け、私たちとともに豊かな未来社会を切り拓いていきましょう。