理工学群を取りまく知的環境 :ノーベル賞受賞者
科学技術の先端研究において、研究学園都市と呼ばれているつくば市は、国内のみならず国際的にも一大拠点となっています。筑波大学をはじめとして50以上の国立研究機関や多くの民間企業研究所が集まり、理工学群に関係の深い分野の研究環境が充実しています。このような空間的環境に加え、筑波大学理工学群は2名のノーベル賞受賞者が教育に携わったという歴史的環境に支えられています。
白川 英樹 名誉教授
ノーベル化学賞2000
導電性ポリマーの発見と開発
白川博士は、筑波大学の教官として20年以上にわたり研究と教育に専念されました。絶縁体のプラスティックであるポリアセチレンを導電性に変えることで、高分子化学に新しい領域を開拓されました。アメリカの教授との共同研究によりその機構を解明し、平成12年(2000年)にノーベル化学賞を受賞されました。平成6年(1994年)から9年(1997年)まで、理工学群の前身でもある筑波大学第三学群長を務められた後、平成12年(2000年)に定年退官されました。
故朝永 振一郎 名誉教授(東京教育大学)元学長
「所蔵:筑波大学朝永記念室」
ノーベル物理学賞1965
量子電気力学,とくに超多時間理論およびくりこみ理論の展開
朝永博士は、昭和16年(1941年)から筑波大学の前身である東京文理科大学、東京教育大学において研究を進めました。超多時間理論とくりこみ理論はその間に発展させたものです。朝永博士は、湯川秀樹博士に次いで、日本人として2番目のノーベル賞を昭和40年(1965年)に受賞し、素粒子物理学を中心とする理論物理学の研究に大きな業績を残しました。また、昭和31年(1956年)から37年(1962年)まで東京教育大学長を務め、昭和44年(1969年)に定年退官されました。